米抗議デモ、25都市で夜間外出禁止令 各地で州兵投入

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 米ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人男性の首を圧迫して死亡させた事件をきっかけとした抗議活動が、全米に広がっている。一部ではデモ隊が暴徒化して放火や略奪が起きており、各地で警戒が強まっている。

「外部勢力介入」の指摘も

 事件が起きたのは5月25日。「偽造紙幣が使われた」という通報を受けて現場に到着した警官=事件後に懲戒免職=が9分近くにわたってジョージ・フロイドさん(46)の首を押さえつける映像が公開され、抗議デモが広がった。地元郡検察は29日、元警官を起訴したが、関与した元警官が他に3人おり、抗議が続く。

 30日の昼間は比較的平穏だったが、ロサンゼルスではデモ隊がパトカー数台を破壊。一部はデパートや商店に押し入り、略奪行為を働いた。ニューヨークやシカゴ、フィラデルフィア、シアトルなどの大都市でもデモがあり、パトカーが燃やされるなどしたほか、首都ワシントンではホワイトハウス近くで抗議が続いた。AP通信によると、28日以降の各地の逮捕者は22都市で1700人近くに上っている。

 デモ隊が過激になっているのは、一部の人たちがあおっているためだ、との見方もある。ミネアポリスのフレイ市長は30日、「過激な行為を働いているのは市民ではなく、この機会を利用しようという外部勢力だ」と指摘。ミネソタ州公安局によると、SNSではミネソタ入りを呼び掛ける白人至上主義者のメッセージもあったという。一方、トランプ大統領は、あおっているのは過激な反ファシスト集団「アンティファ」や極左集団だと主張した。

 ミネソタ州では事態を沈静化させるため、1万3200人いる州兵の総動員を決めた。ワシントン・ポストによると、他にもジョージアやケンタッキーなど計8州で州兵の投入を決めた。また、CNNによると25都市以上で夜間外出禁止令が出されている。(ニューヨーク=鵜飼啓

略奪、商業施設など246件

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 当初はデモに同情的な姿勢を…

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