劇場型プロボクサー・徳山洋輝が戦う理由

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伊藤雅哉
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スポーツ好奇心

 勝っても負けても客席を沸かせる「劇場型プロボクサー」が神戸にいる。千里馬神戸ジム所属の徳山洋輝(ひろき)(28)。関西のトップボクサーの一人だが、本格的に競技を始めたのは23歳と遅い。普段は営業マンで、性格は底抜けに明るい。そんな男がリング上では激しく打ち合う。戦う理由は何か。

 徳山の試合に外れなし――。関西のボクシング関係者の間でそう言われている。常に接戦。正面から打ち合う試合が多く、ヒヤヒヤもするが、粘って勝ちきるのがパターンだ。本人の言葉を借りれば「気合だけは負けへん!」という戦いぶりだ。

 身長162センチの右構えで戦績は9勝(2KO)2敗1分け。一時はスーパーフライ級(約52・1キロ以下)の東洋太平洋ランキングにも入った。ボクシングの興行では通常、1日に5試合以上が組まれるが、徳山の試合は一番の盛り上がりを見せることが多い。「まず一発KOできるパンチ力がないんですよ。相手がなかなか倒れてくれなくて、自分もそこそこ打たれ強い。それで打ち合いになる。デビュー戦を見た母親は腰を抜かしていました」

 見る人の胸を打つボクシングができる理由。それは、徳山の半生をたどれば分かる。

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 神戸市東灘区出身。一つ上の…

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