コロナ禍と落語の未来 ピンチをチャンスに 桂吉弥さん

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聞き手・篠塚健一
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちのくらしや社会を大きく変えました。直面する不安に、どう向き合い、乗り越えていけばいいのか。各界で活躍する人たちに尋ねました。

 まさか、こんなことになるとは。1年前は「吉弥十八番」(6日間連続独演会)をしていました。今回、中止・延期になった落語会は50以上あります。

 これまで落語会やテレビ、ラジオ、新聞の原稿……仕事でずっと立ち止まることができなかった。ようやく着物や帯、扇子、手ぬぐいといった落語で使う道具やネタ帳、資料などの整理に取りかかりました。家族とも、めちゃめちゃ一緒にいるようになった。晩ご飯を一緒に食べるのは週1回ぐらいでしたけど、ずっと3食一緒です。

かつら・きちや 落語家。1994年に故・桂吉朝に入門。芸術選奨文部科学大臣新人賞、文化庁芸術祭優秀賞、繁昌亭大賞などを受賞。NHK「バラエティー生活笑百科」などに出演している。昨年5月に大阪で6日間連続独演会「吉弥十八番」を開いた。

ネット配信に挑戦

 落語会がないからこそ、稽古をしたり、新作を作ったりしたらと家族に言われます。でも、お客さんの前でやる機会がないと、稽古する気にならんというのが正直な気持ち。それで、きっかけを作ろうとユーチューブを始めたんですよ。

 ネタクリ(落語の練習)を公開する形ですけど、「興味を持ちました」という声をもらった。これまで落語を見たことのなかった人に見てもらえる。字幕をちゃんと入れたら、耳が不自由な人にも見てもらえるかもしれない。今まで考えてこなかったけど、落語を体験してもらうのにすごくいいなと気づきました。

オンライン落語の可能性

Zoomで初体験した自宅からの落語。後半はそこで気づいたことやこれからについて語ります。

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 初めてZoom(ズーム)(…

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