「自力では限界」コロナ財源に苦心 自治体の経済力に差

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山中由睦 広川始 滝坪潤一
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 新型コロナウイルス対策の財源確保に自治体が苦心している。職員から一律10万円の寄付を集めるとする兵庫県加西市のような例もあれば、目玉事業をやめて予算を浮かせる自治体もある。自治体の「経営力」によって生活に直結する支援策に格差が生じている。

 「国の特別定額給付金(10万円)がなければ、職員に寄付を依頼することはなかった」。西村和平・加西市長は26日、朝日新聞の取材にそう述べた。

 西村市長は「新型コロナで市内の事業者らは大きな影響をこうむっているが、市職員は収入が下がっていない」と説明。今回の取り組みについて「(財政難を抱えた)自治体が新型コロナ対策もとらないといけない。そうした現状への問題提起でもある」と強調した。

 コロナ対策の財源捻出や税収減を見越し、大型事業を中断する市も相次ぐ。

 兵庫県芦屋市のJR芦屋駅南側。市は約188億円をかけてビルやロータリーを整備する計画を進めるが、市議会が4月、「新型コロナの影響で税収の大幅減が見込まれる」と用地買収などの予算を否決した。

 市はコロナ対策として、生活困窮世帯の子どもへの見舞金など約8億円を予算化したが、財源にした基金は7年後に底をつく恐れがある。それでも、市の再開発担当者は「狭い所にバスや一般車が交錯し、事故も多い。経済が苦しくても必要な事業」と訴える。

 千葉県浦安市は、地域の飲食店で使えるクーポン券など、独自のコロナ対策として約8億円の予算を編成。「子ども図書館」の設計や小学校のプール整備を延期した。担当者は「やむを得ない事情だが、中核事業がまさか延期になるとは」と嘆く。

 削る予算がない自治体はさらに深刻だ。

 2007年に財政破綻(はた…

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