新型コロナウイルス感染拡大の影響で、街の居酒屋が苦境に陥っています。「居酒屋の戦後史」などの著書がある橋本健二・早稲田大教授に居酒屋が都市で果たす役割について聞きました。
「ロビンソン・クルーソー」の作者、デフォーは「ペスト」という小説を出しています。かつて英国でペストが大流行した際、まっさきに苦境に陥ったのは、装飾品、衣料品など不要不急のものをつくる職人と、扱う商人。さらに、居酒屋や料亭、コーヒーハウスなどが宴会や夜間の出入り禁止となったそうです。
私たちの生活は、大量生産、大量消費の大企業さえあればできます。しかし、市場が小さいニッチなものや趣味の世界のものは小規模でしか提供できず、自営業者の存在が非常に重要になるのです。
飲食でも、チェーン店と個人営業の店があります。2014年の経済センサスで「酒場・ビアホール」が約13万あるうち、個人が9万5千、法人が3万5千。個人の方がはるかに多い。酒と食文化の多様性は個人の店で支えられている。それがこのコロナ禍で閉店し始めています。
経営はもともと安定していな…
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