板挟みのかごしま国体 1年延期提案、次の開催地は難色

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三沢敦
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 10月に県内で予定される鹿児島国体と全国障害者スポーツ大会(燃ゆる感動かごしま国体・大会)の開催が、新型コロナウイルスの影響で揺れている。複数の選択肢の中で、鹿児島県が提案したとされる「1年延期」も協議されているが、来年の開催を予定する三重県は難色を示し、それ以降の開催地も固まっている。県が6月上旬をめどとする方針決定に向け、調整が続けられている。

 「(10月に)安全な形で開催するのは難しいかもしれないという認識は一致している」。三反園訓知事は20日、開催に関する報道陣の質問にそう答え、予定通りの実施は難しくなっているとの認識を示した。

 国体などを主催するのは、県とスポーツ庁、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会の4者。ほかの3者との協議で、予選会が開かれていない競技がある実情や、開催に伴う人の移動が感染拡大を誘引する懸念などへの認識で一致したためという。

 20日には全国高校野球選手権大会の中止が決まり、全国高校総合体育大会などの大規模なスポーツ大会の中止も、相次いで公表されている。

 だが県内では多くの関係者が、開催に向けて準備を進めてきた。九州経済研究所によると、国体・大会には選手や大会関係者、観客など約80万人の参加と、619億円の経済波及効果も見込まれている。三反園知事は20日、「準備は万全に進めている。開催への県民の熱い思いも伝え、3者から『重く受け止めたい』との言葉も頂いた」とも述べている。

 国体関係者によると、3者との協議の中で、県は1年延期を要望しているが、予定通りの10月実施や中止、複数年延期など他の案も検討の俎上(そじょう)にあるという。

 国体は基準要項で「大会は、毎年開催し、都道府県持ち回りとする」とされており、1年延期の実現には来年以降の開催自治体などとの調整が不可欠。ただスポーツ庁によると、2021年三重、22年栃木は正式決定済み。23年佐賀と24年滋賀は内定し、25年青森から29年島根までと、33年鳥取の開催が固まっている。

 三重県は来年、「三重とこわか国体」の開催を予定する。県広報課によると、鈴木英敬知事は20日の記者会見で国体について、「オールジャパンで考えていくのが大事だ」としつつ、「われわれの会期がずれるようなことがあれば、多くの方に多大な影響がある」と述べ、来年は鹿児島で行い、その後は1年ずつ順送りするやり方は難しいとの認識を示したという。

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 一方、コロナ禍で疲弊した経…

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