日本第2の都市・大阪の近郊に、コンビニもスーパーマーケットもない村がある。高齢化率が4割を超える過疎地域の買い物を、1台の軽トラックが支えている。
千早赤阪村は、奈良との府県境にある府内でただ一つの村である。大阪の自治体で唯一、過疎地域に指定されており、5140人が暮らす村の高齢化率は約45%に上る。
昨年11月、その村を軽トラックが山道を縫うように走っていた。荷台には見慣れたオレンジに緑、赤の3本線に「セブンあんしんお届け便」の文字。しばらくして、道の両脇が木々から民家に変わり、トラックは路肩に止まった。
店員が荷台の側面のドアを開けると、中から店舗と同じような冷蔵機能付きの商品棚が現れた。おにぎりやサンドイッチ、お弁当が並び、野菜や豚肉もある。村民の買い物を支えるのが、この移動販売だ。
スピーカーから音楽が流れ、どこからともなくお年寄りたちが集まってきた。
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「この間言ってた黒あめ、持…
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