第3回人の生死とトコトン向き合い、みとりの在宅医療の道へ

有料記事やまと診療所

編集委員・中島隆
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やまと診療所③ 院長

 東京の板橋区を本拠に、みとり在宅医療をしている「やまと診療所」の院長は、この人だ。

 安井佑、40歳。

 東京都生まれ。大手電機メーカーの営業担当だった父の仕事の都合で、小学1年から5年生の途中まで、ロンドンの郊外で暮らす。

 中学は、東京の超難関校、武蔵へと進む。中学3年のとき、米シカゴへ。そのまま地元の高校へ。安井はいちばん小柄だった。大柄な米国人が偉そうな顔をしている。

 〈強くなりたい、強くなりたい〉

 そんな気持ちが芽生えていた。

 高校2年のある日、健康診断を受けた父の肺に、大きなかげがあることが分かった。詳しく検査し、非常に珍しいタイプのがんとの診断が下った。

 医師は言った。

 「たぶん難しい。わたしだったら生まれ育った国に帰る」

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 家族で帰国する。容体が悪く…

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