米中切り離し、金融にも波及 ナスダックが基準厳格化へ

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ワシントン=江渕崇 北京=福田直之
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 新型コロナウイルスをめぐる米中の対立が深まるなか、米国で中国企業によるお金の調達を制限する動きが相次いでいる。貿易や先端技術で強まる米中の「デカップリング(切り離し)」が、金融の分野にまで波及してきた。

 米議会上院は20日、中国企業を念頭に、米当局による会計監査の調査を3年連続で受け入れない企業は、米国市場での上場を禁じる法案を全会一致で可決した。上場企業に対し、中国共産党など外国政府の支配下にあるかどうかを開示させる規定も盛り込んだ。下院でも同様の法案が早期可決されるとの観測がある。

 提案者のジョン・ケネディ議員(共和党)は「中国企業に、勤勉な米国人を搾取する機会を与えるのは馬鹿げている」と指摘。下院でも速やかに可決することを求めた。

 中国企業が多く上場する新興株式市場ナスダックは近く、外国企業が上場する基準を厳しくする方針。新規株式公開(IPO)にあたり、最低でも2500万ドル(約26億円)か時価総額の25%相当の調達を義務づける。

 ロイター通信によると、2000年以降にナスダックに上場した中国企業155社のうち40社は、2500万ドル未満しか調達していなかった。新基準は名指しはしていないものの、中国企業の上場を制限する狙いがあるとみられる。

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 中国企業の情報開示が信用できず、米国の投資家が不利益を被っているとの批判は以前から根強い。米国側が会計監査をどうチェックするかは長く懸案だった。ナスダックに昨年上場した中国のコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー」では4月、巨額の不正会計が発覚。同社は5月19日、ナスダックから上場廃止の通知を受けたと発表した。

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