犠牲拡大、焦る英国 「ステイ・アラート」転換に批判も

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ロンドン=遠田寛生 下司佳代子 和気真也
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 英国が新型コロナウイルスによる影響の収束を見いだせないまま迷走を続けている。初動の遅れや首相の入院が響き、犠牲者数は欧州最悪の3万5千人超を記録。政府は外出制限などの緩和にかじを切ったが、国内の自治政府は「まだ重要局面にある」として軒並み反発している。経済界は制限解除を待ち望むものの、国内の足並みはそろわず道筋は不透明だ。

突然の制限緩和

 英国ではまだ外出規制や商店の閉鎖が続く。そんななか、同国の二つのプロサッカーリーグが18日に下した決断は対照的だった。

 絶大な人気を誇るイングランドプレミアリーグは、傘下のチームに少人数制での練習を許可すると発表。一方で、英北部のスコットランド・プレミアリーグは、中断していた今季のリーグ戦を打ち切ることを決めた。

 ロンドン南部のチーム「クリスタルパレス」のパリッシュ会長は今月上旬、英メディアへの寄稿で「サッカー産業が生み出す税金額は年間約33億ポンド(約4300億円)」などと主張。くすぶる中止説に対し「プレミアの収入が減れば(国の)誰も得をしない」と訴え、再開幕へ思いをにじませた。

 ドイツイタリアなど欧州各国がスポーツや経済活動を再開し始めるなか、英政府にも焦りがある。今月10日、政府は突然、外出制限を緩め、6月以降には一部経済や学校の再開も探ると発表。これまでの標語「ステイ・アット・ホーム(家にいよう)」を「ステイ・アラート(警戒を怠らないで)」に改めた。

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 しかし、北部のスコットラン…

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