「芸どころ名古屋」の劇場の使命は? 御園座社長に聞く

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小原智恵 三浦惇平
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 劇場再開から3年目を迎えた名古屋の御園座(みそのざ)は、新型コロナウイルスの影響で8月まで22公演の休止を決めた。「芸どころ名古屋」の中心部で劇場が減る中、収束後に老舗劇場が担う役割とは。宮崎敏明社長(49)に舞台裏の取り組みや今後の見通しを聞いた。

 ――新型コロナウイルスの影響で公演中止が続いています。

 「緊急事態でイベントの自粛が出て、宝塚歌劇は2月28日を最後に公演をやめています。その次の吉幾三さんの特別公演では、貸し切りは主催者が控えたいと10回の公演がなくなりました。一般向けの公演は当初満席でしたが50%の入りになりました。これまでに1億円以上の損失が出ています。4月の新作歌舞伎NARUTO―ナルト―』は二つの花道が売りで、つくってしまっていたのを撤去しました」

 ――2018年4月に劇場を再開業して2年目の1年間はどうでしたか。

 「『挑戦の一年』ということで演目を増やし、回数自体は減らしましたが、前半は苦しみました。後半は運営のチェックを厳しくしたことで、おかげさまで10月の顔見世から調子がよく、吉さんまでほとんど満席の状態が続き、つかめてきたところで新型コロナの影響で公演中止となりました」

御園座は劇場を新しくした際に座席下に換気扇を設置しました。後半では、再開へ向けての対策や「名古屋三座」で唯一となってしまった劇場の使命を聞きました。

 ――再開見通しと経営への影響は。

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 「今のところ8月までに22…

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