就活生と語ったオンライン「記者サロン」 1千人が視聴

吉田貴司
【動画】「記者サロン コロナと就活」では、最新の就活情勢や内定取り消しに遭った際の対処法などを、トーク形式で分析、紹介しました
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 新型コロナ対策下の就活をめぐり、朝日新聞記者が専門家や就活中の学生と語り合うオンラインイベント「記者サロン コロナと就活」が16日にあり、20代を中心に約1千人が視聴した。

 参加者が事前に寄せた不安の一つがオンライン面接。「ネットで伝わるか」などの疑問に、吉田貴司記者は「ネットだと表情がより近くで見られ、反応も伝わりやすい」などの企業の採用担当者の本音を紹介した。ネット会議システムで登壇した島根大大学院生の桜井千寛さん(23)は「昨年の就活は交通費だけで約40万円かかったが、ネット化であまりかからなくなった」と利点を紹介。賛意の声がチャットに届いた。

 ネットで登壇した青山学院大4年の松崎瑞穂さん(21)は、米国留学をコロナ禍で打ち切って一転、就活を始めたが、志望企業の多くが募集を終えており、来年の就活継続も視野に入れていると語った。

 多くの企業の業績が悪化する中、参加者からは「行きたい業界を諦めるべきか」との声もあった。登壇した就職情報会社ディスコのキャリタスリサーチ研究員、松本あゆみさん(39)は「いずれ回復しそうな業界なら、過度に不安視する必要はない。雇用も流動的になっており、長期的な目で最初のキャリアを選ぶ視点も大事」と話した。

寄せられた質問にお答えします

 参加申し込みフォームや当日のチャット欄に寄せられた質問のうち、主なものにお答えします。

【Q】新型コロナで病院も影響を受けていると思いますが、医療系の就職はどうなると思いますか?

【A】厚生労働省が発表した2019年度の有効求人倍率は、保健師・助産師・看護師が2.24倍、医療技術者が3.17倍、その他保健医療の職業が2.09倍。いずれも全職業計の1.41倍を大きく上回っており、もともと医療系の仕事は人手不足の状況にあります。

 就職情報会社ディスコの広報担当、吉田治さんによると、医療系の採用はもともと早期化する傾向があり、新型コロナの影響を受けずに採用を済ませている医療機関もあるといいます。4月以降はオンラインツールの導入が増え、計画通り進んでいるところがある一方で、公立病院では採用試験などが延期となっているところもあるそうです。

【Q】新型コロナがある程度収束した後、オンライン面接は定着するのでしょうか?

【A】企業の採用担当者への取材では、オンライン面接のために新たなコストをかけてタブレット端末などを導入した一方で、対面面接のための会場設営などの負担は減ったといいます。会場に出向く交通費など金銭面の負担が減った地方の学生との接点が増えるといった利点もあり、今後もオンライン面接の利用度は高くなると考えられます。

【Q】2022年卒の夏のインターンは、どうなりそうですか?

【A】ディスコの吉田さんによると、もともと今年の夏は東京五輪パラリンピックがあったため、夏のインターンは避けようとしていた企業も多かったといいます。そのため、秋にインターンを実施する企業の割合が、昨年よりも高い状況でした。

 今後、新型コロナの影響で大学の授業日程がどうなるかなどを見極めた上で、開催時期を再検討する企業も出てきそうです。オンラインでのインターン実施を検討している企業もありますが、「就業体験」が難しい部分もあるので、実際に足を運ぶインターンとの違いには留意する必要があるといいます。(吉田貴司)

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