北方領土問題にもコロナの影 プーチン氏の求心力低下

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大野正美
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 今月7日で初就任から20年となったロシアのプーチン大統領の長期支配が揺らいでいる。北方領土にまで感染者が出た新型コロナウイルスの猛威は、任期のさらなる延長に道を開く憲法改正の試みをストップさせ、経済も苦境に追い込んだ。ロシアの安定の重しだったプーチン氏の求心力低下は、日ロ関係の今後にも影を投げかけている。

 ロシア国内では、5月3日から13日まで、1日の感染者が1万人を超える状態が続いた。現在も1日9千人前後で推移しており、19日までの累計は29万9941人と、30万人の大台が目前に迫っている。ミシュスチン首相やペスコフ大統領報道官ら、政権高官の感染も相次いで判明した。

 そうした間、プーチン氏には、コロナウイルス感染者向けの病院を訪れ、後に感染が判明する医師と濃厚接触するなど、不適切な行動が目立った。主に地方の公邸に滞在を続け、感染症対策は、ソビャニン・モスクワ市長らに、まかせきりの状態が長く続いた。

 大統領任期の2036年までの延長に道を開くはずだった4月22日の憲法改正案への「全ロシア投票」も、感染症の拡大により無期限延期となった。

当面は国内政策に注力か

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 さらに感染症の影響で世界の…

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