「さようなら さっぽろ」 ススキノラフィラが静かに幕

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原田達矢
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 北海道最大の繁華街・ススキノの商業施設「ススキノラフィラ」が17日夜、閉店した。新型コロナウイルスの感染拡大で、閉店セレモニーは取りやめに。46年間、ススキノの変遷を見守ってきたビルは建て替えられ、2023年に新たな商業施設に生まれ変わる。

 最終日にもかかわらず、開店前にビルの前で待つ人の姿はまばらだった。店内には空の店舗も目立つ。ビル内の約半分にあたる約60店舗ではマスク姿のお客さんが商品を眺めていた。

 この日、札幌市の40代女性は約10年間通う喫茶店「クレメント」にコーヒーを飲みに訪れた。「閉店するのかと思うと惜しいですね」と話す。大学時代、このビルはサークルの待ち合わせ場所だったという。

 このビルの雑貨店「WHITE CLOSET」で44年間働く原恵さんは、常連客一人一人に感謝の言葉を伝えた。「涙が出そう。コロナがなければ盛大にお別れできたはずなのに残念」

 北海道の休業要請を受け、ラフィラは4月25日~5月8日の14日間、臨時休業した。だが、「『(道の)支援金を得るために早めに休業したい』と前倒しで閉じる店も相次いだ」(運営会社・ススキノ十字街ビル)という。このため、運営会社は9日から再開に踏み切った。

 最終日、セレモニーはなかったが、運営会社の遠山日露史(ひろし)社長は閉店5分前に「お客様には感謝しきれません。ありがとう」とアナウンスした。シャッターには「ありがとう さっぽろ さようなら さっぽろ」の文字が現れ、静かに感謝を伝えた。

 地権者となっている企業6社はビルを建て替え、2023年末に新たな複合商業施設の開業を目指す。

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■ススキノ、これからどうなる…

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