杖が嫌な90代…上野先生「老いに抵抗、見事だが」  

有料記事悩みのるつぼ

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悩みのるつぼ) 相談者

 90代女性です。

 つまらない自分のことですが、聞いていただきたくてペンをとりました。

 脚が悪く、また腰も5年前から痛み出しました。お医者様に行って検査していただきましたところ、手術しか手がないと言われました。

 もちろん手術なんかする気はありません。

 背中が曲がってきているのです。内臓はどこも悪いところはありません。それに、座っているときは、腰が痛むことはありません。

 困るのは、日々の買い物などの外出時です。百貨店では椅子を探して座りまくりです。

 それを友人に話したところ、「杖をつけば楽に歩けるのに」と言われました。

 実は主人がのこしていった杖があります。この間、外出時に試してみました。なるほど、楽でした。

 もっと早く使えば良かったなァと思いました。けれど、その半面、杖をつく自分の姿が嫌でたまりません。なぜ嫌なのか、自分で自分がわかりません。

 自分でも、わがままなことを言っていると思います。また、人様が杖をついて歩いておられる姿を見ても、何の抵抗もありません。ですが、嫌なものは嫌なのです。

 何か良いアドバイスをいただけませんでしょうか。よろしくお願いします。

回答者 社会学者・上野千鶴子さん

 まず全身が映る姿見にご自分の姿を映してみてください。誰から見ても老女に見える姿が映っているでしょう。ショックでしょうが、それがあなたの現実です。そして歩いてみてください。前屈(かが)みのちょこちょこ歩きになるはずです。次に杖を使って立ってみてください。腰がまっすぐになるでしょう。3点支持で重心が安定しますから、歩いても踏み出しが良くなると思います。どちらがご自分ではお好きですか?

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