「コロナかも」 感染者ゼロの岩手で、現場に漂う緊張感

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中山直樹 御船紗子 藤谷和広
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 全国で唯一、新型コロナウイルスの感染者が確認されていない岩手県。ただ、医療の現場では様々な課題に直面している。

 「自分はコロナかもしれない」。盛岡つなぎ温泉病院には、不安を抱えた人たちが毎日のように訪れる。新型コロナウイルスに感染の疑いがあると県の相談窓口が判断した場合、診療施設として指定されているのは県内で19病院。この病院もその一つで、PCR検査が必要か診察してほしいという依頼が県からくる。

 ただ、感染の可能性が少なく自宅療養を勧められても、心配でやってくる人は少なくない。「陰性と分かるまで安心できない気持ちは分かる。検査能力に限界があるなら、県はそこから漏れた人をケアすべきだ」。病院の理事長を務める小西一樹医師(75)は指摘する。

 岩手では新型コロナの感染者は未確認だが、医療関係者は「いつ感染が確認されてもおかしくない」と口をそろえる。県の依頼で感染の疑いがある人を診察する際、つなぎ温泉病院では診察室までほかの人に接触しないよう動線を分ける。看護師たちは手袋とマスクの着用を徹底しているが「感染するかもしれないという精神的不安や疲労は大きい」と小西医師は話す。

 盛岡市立病院は感染者が出た場合、真っ先に患者を受け入れる医療機関に指定されている。感染者用の病床数は8床。抗原検査のキットやアビガンなどの治療薬もそろえ、必要時には医療チームを派遣してもらえるよう県立中央病院(盛岡市)や岩手医大付属病院(矢巾町)と協定を結ぶ。

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 ただ、懸念もある。昨秋に岩…

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