「一本足打法」経営見直すきっかけに コロナと中小企業

有料記事

聞き手=箱谷真司
[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が続き、経済活動が一気に停滞している。飲食や宿泊だけでなく、様々な業種で売り上げが落ち込み、とりわけ中小企業は苦境に立たされている。生き残りを図るため、どんな経営の工夫をすれば良いのか。中小企業に経営アドバイスをする東京都中小企業診断士協会の松枝憲司会長に聞いた。

 ――足もとの中小企業の状況は。

 「2月に旅行や宿泊業が苦しくなり始め、3月に飲食・サービス業へ苦境が広がった。最近は製造業や建築業にも影響が出ている。中小企業は多くて3カ月ほどの営業ができる現預金しか持たず、日銭で日々の仕入れをまかなうケースが多い。需要が『蒸発』し、本当に苦しい状況だ」

 ――中小企業の経営者が意識すべきことは。

 「まず大切なことは、自社から新型コロナの感染者を出さないことだ。中小企業は従業員が少ないので、代わりの人が手当てできないことが多い。経営者が感染すれば事業が滞り、倒産につながるおそれもある」

 「また、支出をできるだけ抑え、公的な給付金や助成金を活用して資金を確保する必要がある。中小企業が苦しい一番の要因は、人件費や家賃といった固定費だ。国による家賃補助の話も出てきたが、当面は家主らに相談して支払いの猶予をお願いしたり、(人件費の削減などについて)社員に理解を求めたりするしかない」

 ――政府の資金繰り支援が行き渡っていないようです。

ここから続き

 「3月以降、(無利子・無担…

この記事は有料記事です。残り1114文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら