緊急事態宣言は発令?発出? 言葉使いに思惑にじむ

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笹山大志
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 新型コロナウイルスの感染拡大防止をめざして政府が出した緊急事態宣言は「発出」なのか、「発令」なのか――。国や各自治体の言葉遣いが分かれている。辞書などを読むと「出」にはフラットな語感、「令」には上意下達の趣も漂う。混在する表現に、宣言をめぐる微妙な立ち位置の違いも垣間見える。

 「緊急事態宣言を発出することといたします」。4月7日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を7都府県に出すと表明した安倍晋三首相は記者会見でそう述べた。宣言の対象を全国に拡大した後の同17日、期間を延長した5月4日の会見でも「発出」を踏襲。首相官邸の公式サイトにも掲載されている。14日には39県について宣言を解除すると発表した。

 ハッシュツ。広辞苑第7版(岩波書店)は「あらわれること、あらわすこと、おこすこと」とし、新明解国語辞典第7版(三省堂)には「役所などから通達などを出すこと」と説明。辞書ごとに解釈が異なる。

 緊急事態宣言は、対象地域の知事に対し、私権の一部制限を伴う措置を可能にするもの。宣言に基づいて実際に民間施設への休業を要請・指示するなどしたのは各地の知事で、宣言自体は直接国民に具体的な命令をするものではない。

「それ以上はわかりません」

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 内閣官房新型コロナウイルス…

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