解除前倒しの空気、国も地方も 「出口」までは見通せず

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 緊急事態宣言の5月末までの延長決定からわずか10日。政府は14日、39県について宣言の解除に踏み切った。新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向のなか、深刻化する経済への危機感が政府の背中を押した。ただ、解除区域で再び感染拡大が起こる可能性は残り、政府内からは懸念も漏れる。

 14日にあった安倍晋三首相の記者会見は、新型コロナウイルスへの対応の苦しさが色濃くにじむものだった。首相は一部解除を宣言しつつも、制限の解除後に感染が拡大した海外の事例を紹介。「社会、経済活動を本格的に回復させると同時に、ウイルスの感染拡大を抑え込んでいく。これほど難しい作業はありません」と語った。

 一部地域で政府の宣言解除を前倒しする方針は、延長決定の当初から既定路線になっていた。首相は、延長を表明した4日の記者会見で10日後に一部地域の解除に向けた「中間評価」をすると表明。その3日後には、新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔経済再生相が会見で、直近1週間で新規感染者ゼロの17県について、宣言解除の可能性を強く示唆した。

 菅義偉官房長官は首相に「経済は大事ですよ」と繰り返し進言。首相も「それはそうだ」と応じるなど首相官邸内では経済重視の空気が強かった。

意見割れた再指定の数値

 とはいえ、政権は感染の「第2波」の到来への懸念に頭を悩ませていた。解除によって再び感染が拡大すれば、解除判断への批判が集まりかねず、政権にとって大きなリスクになる。衛藤晟一沖縄北方相は12日に首相と面会。「第2波がきたら政権が倒れますよ」と忠告し、感染拡大防止策の強化を訴えた。

 では、どういった状況なら解除は可能なのか。政府内では、解除の基準をめぐって意見が割れた。

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 自粛要請の解除について5日…

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