視覚障害者「生活できない」 密接回避でヘルパー休止
新型コロナウイルスの感染拡大により、視覚障害者が苦境に立たされている。買い物や通院に付き添うガイドヘルパーの活動自粛が広がっているからだ。ヘルパーと視覚障害者の間で「社会的距離」を保てないことが、大きな要因となっている。
感染不安で休み 後任見つからず
「コロナが落ち着くまで休ませてほしい」。視覚障害のある女性(51)は3月末、ガイドヘルパーを派遣する事業所から突然告げられ、途方に暮れた。
千葉県で一人暮らし。視覚障害者の外出を支援する国の制度(同行援護)を利用し、買い物のために週1回、通院に隔月1回、ヘルパーに来てもらっていた。
同行援護
視覚障害者の外出を支援するサービスで、2011年に始まった。障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に定められている。養成研修を修了するなどしたガイドヘルパー(同行援護従業者)が外出に同行し、移動の手助けや代筆・代読を含む視覚的情報の提供、食事の介助などを行う。
女性の健康状態に変わりはない。だが、担当のヘルパーが高齢による感染の不安から活動を休止したという。新しい人を探して何軒も他の事業所をあたったが、ヘルパーが利用者からうつされることも、ヘルパーが利用者にうつしてしまうことも避けたいとの説明でいずれも断られた。
ヘルパーと外出する際は、腕を貸してもらい、半歩後ろにつく。「誘導してもらうには密接しないといけない。距離の近さから不安を感じるのは、仕方ないとは思う」
女性はその後一人で買い物に行ってみたが、店員の数が減り、いつものように売り場まで案内してもらえない。ネットスーパーを利用しようにも、配達枠はすぐ埋まり、音声を頼りに操作する女性は「スピード競争に勝てない」。視覚障害者が自力で買い物をするのは、コロナ禍でますます困難になっている。
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