第2回震災発生、その時いるのは 担当者でなく「箱」に頼る術
刀祢館正明
「あの日、用意したマニュアル通りの災害対策本部を立ち上げられたマンションはわずかでした」
東京の町田市が2月に開いた分譲マンション管理セミナーで、防災ネットワーク研究所の本瀬(もとせ)正和さん(68)は、こう語った。フロアには管理組合の役員や防災組織の幹部ら約50人が並ぶ。
「あの日」とは9年前の3月11日、東日本大震災の当日のこと。本瀬さんは宮城県の仙台市と石巻市のマンションを、現地に詳しい人と一緒に調べた。
わかったのは、防災組織を作り、防災訓練を行い、防災マニュアルがあっても、当日はほとんど機能しなかった、という現実だ。
なぜか。本瀬さんはこう見る。
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地震で家の中がめちゃくちゃ…
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