沖縄復帰の日になぜ「平和行進」? 初の中止で考える

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国吉美香
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 沖縄は15日で本土に復帰して48年を迎える。今年は、恒例の「5・15平和行進」が新型コロナウイルスの影響で初めて中止になった。全国から数千人が集う行事だが、「復帰」といわれてお祝いごとをイメージする人もいる。なぜ、この日に平和行進なのか。

 那覇市の元郵便局員、渡久地政弘さん(81)は十数回参加した経験があり、足腰が弱ってからも毎年沿道から様子を見守ってきた。だが、今年は自宅で、庭に咲くテッポウユリを眺めて過ごす。「白い花が咲くと行進の季節だなと感じる。残念だけど、仕方が無い」

 5・15平和行進は、普天間、嘉手納などの米軍基地や、基地建設が進む辺野古、ひめゆりの塔といった先の大戦跡を3日間かけて巡るイベントだ。歩くことで「基地の島・沖縄」を実感してもらい、沖縄をめぐる問題を全国の問題として共有してもらいたいとの狙いが主催する沖縄平和運動センターにある。昨年は延べ約3590人が集まった。センターの担当者は「県民の意に反した基地建設も進められ、訴えなければいけないことは山ほどある。中止になった分、来年はより力強い平和行進を開きたい」と話す。

 平和行進の始まりといえる運動は1972年の本土復帰よりも古く、60年代前半までさかのぼる。

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