仏教の「三密」はコロナ禍生きる知恵 お遍路の寺の住職

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聞き手・久保智祥
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 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちのくらしや社会を大きく変えました。直面する不安に、どう向き合い、乗り越えていけばいいのか。各界で活躍する人たちに尋ねました。

僧侶・白川密成さん(42)

 四国八十八カ所霊場の57番札所の栄福寺(愛媛県今治市)の住職として多くのお遍路さんをお迎えしてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、4月半ばから5月10日まで本尊印を授ける納経所を閉鎖していました。子供の頃から戦争の時も開けていたと聞かされてきましたので、異例のことです。

しらかわ・みっせい 僧侶。2001年に先代住職の祖父の死去を受け24歳で栄福寺の住職となる。2010年に出した著書「ボクは坊さん。」は映画にもなった。「坊さん、ぼーっとする。」を2月に出すなど、生活のなかで実感する仏教の知恵をつづる。

 死にものぐるいの思いで遍路をする方もおられるし、信仰をもちろん大切にしたいのですが、今回は個人の修行がほかの人や医療現場に対して強い影響を及ぼす可能性があるという面もあり、苦しい決断でしたがやむを得ませんでした。

 閉鎖直前は信仰ばかりでなく、関東や関西など遠方から、自分の部屋に閉じこもっているのもしんどいのでお遍路にでもという方もおられましたが、閉鎖期間は99%は来られなくなりましたので、みなさん頑張って「ステイホーム」してくださったのだと思います。

 外出自粛とともに密閉・密集・密接の「3密」を避けましょうと呼びかけられていますが、初めて聞いたときは驚きました。仏教のなかでも、とくに真言密教で修行の根本として大事にされているまったく別の「三密」があるからです。

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 密教の三密とは、仏の身(し…

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