新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長を受け、多くの地域で学校の休校が長引いている。各自治体は児童生徒への感染リスクを減らしつつ、スムーズな学校再開をめざし、「登校日」や家庭学習の支援で工夫を凝らす。

6割は再開前に登校

 休校を延長した自治体の約6割は、再開前に学校に来てもらい、家庭学習の教材を配ったり、子どもの様子を確認したりする。「3密」を避けるために人数を制限するなどして、週1~2回の「登校」を求める自治体が多い。

 そんななか、31日まで休校する新潟市は、市立の小中学校の登校日を、14日から毎日続ける。感染が不安などとして登校しない子どもは欠席としないが、1クラスを午前と午後に分けるなど1教室の人数を最大でも16人に抑え、教科書も使って家庭学習の振り返りなどを行う予定だ。市教委の担当者は「授業再開に向けた準備期間ととらえ、子どもの状態をよく見極めたい」と説明する。

 24日まで休校する高知市も、希望する児童生徒に毎日登校を認める補習学習を11日に始めた。15日までは半日だが、18~22日は登校した全員に給食を用意する。再開に向け学校生活に慣れてもらう狙いだが、休んでも欠席にはならない。市教委の担当者は「『感染が怖い』という家庭と、『学習のために早く登校させたい』という家庭の両方に対応したい」とする。

 今週、保護者限定の「登校日」を設けたのは、22日まで休校予定の甲府市。4月中に配ったプリントなどを提出してもらい、5月に使ってもらう資料を渡す。市教委の担当者は「子どもの健康や学習状況の確認も電話でしている。とにかく3密になりやすい学校に来させないことを心がけている」と話す。

 福島市などのように、分散登校日の際に優先するよう求めた文部科学省の通知に従い、小学1年、小学6年、中学3年を他学年よりも多く登校させるケースもある。

 一方、地域の感染者が多かったり、感染を心配する保護者が多かったりして、登校日を設けない自治体も3割を超えた。川崎市はいったん週1回の登校日を設定したが、神奈川県などからの要請もあって取りやめた。千葉県や埼玉県は県立学校に登校日は設けないが、進路指導などの事情がある場合は、学校での個別指導を認めている。

■家庭や地域差を…

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