経産省、コロナ禍でも「御意見を伺う場」 聞こえた本音

有料記事経世彩民

編集委員・大月規義
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経世彩民 大月規義の目

 新型コロナウイルスの影響で自粛の嵐が吹きすさぶ中、あえて続行している会合がある。経済産業省の「関係者の御意見を伺う場」だ。エリート官僚が付けた「下から目線」すぎる会合名といい、コロナ禍での開催敢行といい、どこか怪しさを感じる。

 会合の正式な名称は「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場」。平たく言うと、東京電力福島第一原発にたまる多くの放射性物質(核種)を含んだ汚染水をいつ、どこに捨てたらよいのか、自治体やさまざまな団体の意見を聞かせて欲しい、というものだ。

 主催者側の考えを察するに、汚染水を基準値以下に処理して海に放出したいが、正式に決める前に、関係団体の考えを一通り聞いてみる、という「通過儀礼」的なものだ。後述するが、経産省・東電側には方針決定だけではない、別の狙いもある。

緊急事態宣言でも立て続けに開催

 最初の会合があったのは4月6日。新型コロナの感染拡大を防ぐ政府の緊急事態宣言が出る前日だ。主催者である経産省や復興庁、環境省の各副大臣らが福島市にあるホテルの広間に、福島県知事の内堀雅雄氏や福島県漁業協同組合連合会会長の野崎哲氏や市町村長ら10人を順番に招き入れた。2回目は13日に、3回目は5月11日に開かれた。

 緊急事態宣言の中、なぜ立て続けに「御意見を伺う」必要があるのか。

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 メルトダウンした第一原発か…

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