五輪延期で「チャンス」 オマーン最速の留学生スイマー

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松本行弘
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 中東のオマーンから競泳のレベルが高い日本に留学し、東京オリンピック(五輪)を目指す選手がいる。中京大スポーツ科学部の3年生、イサ・アルアダウィ(21)。目標の五輪参加標準記録に届かず焦っていたが、新型コロナウイルスの影響で五輪が延期された。「チャンスをもらった。この1年を生かしたい」と気持ちを新たにしている。

 「オマーンには練習できるプールがないし、授業が始まったらすぐ出席したいので、帰らなかった」。感染が広がる中、愛知県豊田市の大学に近い水泳部寮に残り、練習を続けた。4月の緊急事態宣言でプールが使えなくなり、今は陸上トレーニングをしながらパソコンでオンライン授業を受け、泳げる日を待つ。

 自由形5種目でオマーン記録を作った期待の星だ。オマーンは五輪に1984年ロサンゼルス大会で初参加し、競泳では2000年シドニー大会、08年北京大会などに代表を派遣した。だが、五輪参加標準記録は突破できず、国際水泳連盟の推薦枠での出場だった。オマーン初の五輪参加標準記録突破を目指し、18年春、母の出身国で五輪開催を控える日本へ来た。

 ハードルは高い。出場を目指す100メートルのベストは昨秋の52秒50、200メートルは1分54秒89。五輪参加標準Bは100メートルが50秒03、200メートルは1分50秒23だ。母国の期待も感じ、「重圧で逃げたくなる気持ちもあった」。4~6月に少しでも記録を縮めなければ、と追い込まれていた時に、五輪が延期された。

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 ただ、留学での成長は実感し…

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