「30兆円企業」トヨタ正念場の決算 あの「支え」今は

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千葉卓朗 近藤郷平 石塚大樹
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 上場企業の2020年3月期決算が今週本格化し、自動車業界では、トヨタ自動車が12日、大手のトップを切って発表する。新型コロナウイルスの影響が深刻化する業界では、日産自動車三菱自動車が赤字の見通しをすでに公表。前年に国内企業で初めて年間売上高が30兆円を超え、業績堅調のトヨタさえも厳しい決算が待ち構える。

 トヨタ、ホンダ、スバル、マツダの大手4社が1日(現地時間)発表した米国の4月の新車販売台数に衝撃が走った。計18万4千台で前年同月比52%減。過去にほぼ例のない歴史的な減少率を記録した。同じ日に日本で公表された国内新車販売台数も同28.6%減の27万台。東日本大震災後の11年4月の47.3%に次ぐ水準だった。

 中国を起点に影響が色濃く出始めたのは今年2月ごろからだ。中国は1~3月に販売が急減し、3月には米国や欧州などにも飛び火した。トヨタの北米の幹部は現地の新車販売について、「3月2週目までは絶好調だったが、3週目から急減。ニューヨークやカリフォルニアは9割減になった」と自社が運営するウェブメディア「トヨタイムズ」で明かした。2月6日に公表した20年3月期の業績予想は売上高29兆5千億円、営業利益2兆5千億円。この時点では3年連続の営業増益を見込んだが、コロナの影響は織り込んでいない。

北米「3月2週目まで絶好調だったが…」

 コロナ前の事業環境を振り返ると、ダイハツ工業日野自動車を含めたグループの年間販売台数が1千万台を超える。国内市場はもともと縮小傾向で伸びが期待しにくいため、収益は海外市場の動向が鍵をにぎっている。なかでも、年間1700万台ほどの市場規模がある米国は、トヨタが約240万台(19年3月期)を売る重要市場だ。

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 19年3月期の北米の営業利…

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