コロナ情報、信頼のカギは? 隠れた感染見つける検査を

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服部尚
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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を政府は5月31日まで延長することを決めた。感染対策は新たな段階に入ったが、専門家の挙げる課題とは……(服部尚)

コロナの情報発信をする黒木登志夫・東京大名誉教授

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

黒木さんはノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京大教授が開設したコロナサイトで情報発信している

 日本では2月半ばまでは、中国・武漢市から入ってきたコロナウイルスを抑えていたが、2月下旬に欧州のウイルスが入ってくると、急速に広がり始めたと考えられる。3月の段階ではまだ、政府や行政、そして国民にも緊張感がなく、下旬の3連休を機会に蔓延(まんえん)してしまった。

 4月になると政府もようやく本気になり緊急事態宣言を出した。緊急事態宣言が出てからは、危機意識が共有されるようになった。確かにその後、新規感染者は減少し、累積感染者の増加カーブも鈍ってきている。

 問題は、感染源が不明な感染者が増えていることだ。PCR検査を十分できなかったつけが回ってきている。脳梗塞(こうそく)や骨折などで救急に運ばれてきた患者から感染者が見つかることも心配されている。

 PCR検査に加えて、より短時間でできる抗原検査の開発が早急に必要だ。インフルエンザのように、その場で診断が出来れば、かくれた感染者も見つけられるようになり、流行を抑えられる。

 保健所を含め、医療現場は崩壊の危機にさらされている。そもそも、保健所にPCR検査の是非や入院先までを探させるのは酷だ。政府はコロナの感染拡大が第2期に入ったことを改めて宣言し、新たなシステムを作らなければならない。

リスクコミュニケーションが専門の吉川肇子・慶応大教授

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 政府は正確なコロナの感染状…

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服部尚
服部尚(はっとり・ひさし)朝日新聞記者
福井支局をふり出しに、東京や大阪の科学医療部で長く勤務。原発、エネルギー、環境、医療、医学分野を担当。東日本大震災時は科学医療部デスク。編集委員を経て現職。