体制拡充を「ケチった」日本 少なさ際立つPCR検査数

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後藤一也 服部尚
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 新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査について、政府の専門家会議は4日、3月下旬からの感染者数の急増に十分対応できなかったと指摘した。検査数は海外と比べて明らかに少なく、過去の感染対策の中で検査体制を拡充してこなかったことが理由の一つと分析している。

 検査数が伸びなかったことについて、専門家会議の副座長を務める尾身茂・地域医療機能推進機構理事長は会見で、「思ったほどのスピードで上がらなかったのは事実」と述べた。

 会議資料によると、今回の検査体制の評価文書では、3月下旬以降、感染者が急増した大都市を中心に検査待ちが多く報告されるようになったと指摘。原因として、感染が疑われる人に対応する相談センター機能を担う保健所の業務過多や、通常業務をこなしながら検査にあたる地方衛生研究所のリソース不足などを挙げた。

 検査の少なさは、今回の資料で示された厚生労働省クラスター対策班の分析でも際立つ。検査の定義や対象者は国ごとに違うが、日本の10万人あたりの検査数は188件。爆発的な感染が起きたイタリアドイツでは約3千件を超え、シンガポールは1708件、韓国は1198件だ。

 日本はもともとPCR検査の体制が脆弱(ぜいじゃく)だった。このため、2月24日の専門家会議では、限りある検査の資源を「重症化の恐れがある方に集中させる必要がある」と指摘。その一方で、今回の資料では、3月初旬から政府などに対し、「検査体制の拡充を求めてきた」としている。

 ただ、実際にはすぐに検査を…

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