花房吾早子
多様な性を生きる子どもたちが安心して過ごせるような学校にしようと、府教育庁が教職員向けの啓発冊子「性の多様性の理解を進めるために」をつくった。教職員が子ども一人ひとりに寄り添って適切に対応できるよう、正しい知識を広めることが狙いだ。
全11ページ。冊子はまず、「性自認」(自分の性別をどう認識するか)や「性的指向」(どんな人に性的な魅力を感じるか)など、多様な性を表すための言葉の説明から始まる。教職員に基礎的な理解をふまえてもらったうえで、同性愛や両性愛などに対し「思春期の一時的なこと」「すぐに治る」といった言葉かけをしないよう求めている。
冊子では、子どもが相談できる信頼関係の構築や情報管理の徹底も求めた。さらに、生まれたときに決められた性別とは違う性別で生きようとする「トランスジェンダー」の子どもの制服や水着の着用、トイレや更衣室の利用に関する配慮にも言及。男女のうち本人が望む方に合わせるか、男女の別によらない個別の方法をとるかなど、それぞれの子どもの意向を丁寧に聞き、柔軟に判断する大切さを説いている。
データや事例を提供した宝塚大…