トランプ氏「信任」が一変 米大統領選、バイデン氏優勢

有料記事

ワシントン=園田耕司
[PR]

 11月3日に投票が行われる、米大統領選まで半年。新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、最大の争点は共和党のトランプ大統領(73)による対応の評価となっている。トランプ氏は悪化の一途をたどる経済の復調に期待を込めるが、現段階の支持率では民主党バイデン前副大統領(77)にリードを許している。

 「我々は力強く、復活しつつある。世界でもっとも素晴らしい経済を築いた。それを再び、築く。非常に早くだ」

 4月28日、トランプ氏はホワイトハウスで中小企業支援のためのイベントを開き、こう語った。「専門家は、我々がパンデミックの最悪の日々から抜けたと考えている」とも述べ、経済が上向きになると強調。続いて、政権の支援を受けたというレストラン経営者らが登壇し、「危機の中での大統領のリーダーシップに感謝している」と語った。

 今回の大統領選は元々、再選を目指すトランプ氏の「信任投票」の色合いが濃い。トランプ氏は数々の問題発言やスキャンダルを抱えながらも、記録的な平均株価などを実績として掲げ、有権者にアピールするつもりだった。ところが、新型コロナによって好調な経済はすっかり消えてしまった。1~3月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、年率換算で前期比4・8%減で、6年ぶりのマイナス成長となった。歴史的に低かった失業率は逆に、1930年代の世界恐慌の水準まで悪化する可能性すら指摘されている。

遅れたコロナの初期対応

 新型コロナをめぐるトランプ氏の対応も、追い打ちをかけている。米国では危機の際には政治指導者の支持率が上がる傾向にあり、トランプ氏も一時的に上昇した。しかし、トランプ氏は2月末まで「ある日になれば、(ウイルスは)奇跡のように消える」など発言しており、初期対応が遅れたとの批判が強い。最近も消毒液がウイルスを殺すことに触れ、「体の中に注入できないか」と発言したことが物議を醸している。この間、米国内は新型コロナの感染者数が110万人、死者数が6万人を超え、ともに世界最悪だ。トランプ氏の支持率も、コロナ危機の前の水準に戻った。

ここから続き

 米国では再選を目指しながら…

この記事は有料記事です。残り1035文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら