日本の文字文化は紀元前から? 「すずり」から推測

有料記事

清水謙司
[PR]

 弥生時代から古墳時代にかけての石製品のうち、これまで砥石(といし)などとされてきた150例以上は筆記用具のすずりでは? 柳田康雄・国学院大客員教授(考古学)が最新論文でそう指摘している。日本での本格的な文字文化の広がりは5世紀ごろともされるが、石製品がすずりなら、文字の使用が紀元前にさかのぼる可能性を示唆する。

 奈良県桜井市の纒向(まきむく)学研究センターの研究紀要で4月23日に公表した。

 「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に登場する「伊都国(いとこく)」の都とされる三雲(みくも)・井原(いわら)遺跡(福岡県糸島市)で2016年、弥生時代後期(1~2世紀ごろ)のすずりが見つかったことに注目。邪馬台国の有力候補地とされる纒向遺跡(奈良県桜井市、3世紀初め~4世紀初め)の出土例も含め、中国・近畿地方も含めた西日本一帯で、弥生時代などの石製品の実測や探索を進めた。

ここから続き

 その結果、これまでは大半が…

この記事は有料記事です。残り517文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら