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「終わらないパンデミックはない」磯田道史さんと疫病史

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宮地ゆう
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 新型コロナウイルスの感染拡大で揺れる日本社会。いま、過去に日本をおそった疫病の大流行から学べることは何か。「武士の家計簿」や「天災から日本史を読みなおす」などの著作で知られる歴史学者磯田道史さんに振り返ってもらった。

●「要請」と「自粛」

性行為の規制まで…

 歴史をひもとくと、近代の日本社会が最初に直面したパンデミック(世界的な大流行)は、明治初めに起きたリンドルペスト(牛疫)の流行だったという。家畜間の伝染だったが、明治政府は、国民生活の細部にわたり衛生関係の法令を出した。

 「この中には『閨(ねや)ごと(性行為)の規制』まであった。明治政府は旧幕府がやっていた生活細部への介入や指示を受け継いでいた。さらに、新政府は武力で成立した革命政権で、国民に何でも命令できると知っていたので、指示も具体的・現実的でした」

 一方、スペイン風邪が広がった大正期には、国が要請という形で「お願い」し、国民が自粛で「答える」という、現在の「自粛要請」につながる原型が見える。罰則付きの規則や都市封鎖がある欧米とは対照的だ。

 「日本は型を示して指示すると、みながそれに従うことについては、世界一です。細かく手本を見せると、大きな効果がある」

給付金の「大原則」

 磯田さんは、政府や自治体は「8割接触を減らして」ではなく、滋賀県が県民に実行を求めた県独自の「5分の1ルール」のように「5日の出勤を1日、50分の会議を10分に」など、具体的に示すのがコツだという。外から家に入る際の洋服の脱ぎ方や、家の中の重点的な消毒箇所(ドアノブや照明のスイッチなど)をマニュアル化することも勧める。

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●歴史が示す給付金の「大原則…

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