リーマン越え懸念 トヨタ系部品大手、覚悟の「長期戦」

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千葉卓朗 石塚大樹 近藤郷平
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が自動車部品の大手メーカーにも広がっている。完成車メーカーが世界各地で工場を止めたことで、連なる部品大手の業績にもマイナスが及んでいる。米中摩擦による中国景気低迷で打撃を受けたところに新型コロナが直撃。「CASE(ケース)」と呼ばれる新技術への対応を急ぐ矢先の危機に翻弄(ほんろう)されている。

 トヨタ自動車系の大手部品7社が30日発表した2020年3月期決算は、新型コロナウイルスによる需要急減で全社が減収、5社が減益で1社は赤字に転落した。欧米の先行きが見通せないため、21年3月の通期見通しは全社が見送った。

 最大手のデンソー純利益が前年比73.2%減の680億円。完成車のリコールによる費用が響いたが、新型コロナによる減産も約430億円の減益要因となった。1~3月期の純損益は680億円の赤字だった。ネットで会見した有馬浩二社長は「新型コロナとの闘いは長期戦になる」と述べた。4月の生産は北米で約8割減り世界全体でほぼ半減しているという。

 自動車部品国内2位のアイシン精機は、純利益が78.2%減の240億円。新型コロナによって営業利益が約300億円押し下げられ、そのうち約240億円は中国市場での落ち込みだった。取引先の完成車メーカーが中国の工場の操業を停止したため、主要部品のトランスミッションの売り上げが大きく減った。

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 ネットでの会見で伊勢清貴社…

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