体重計で体脂肪率を測るしくみ 電流の通りにくさで推定

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 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の日々が続いている。運動不足に悩まされ、体脂肪の値も気になるところ。体脂肪が増えると、血液中の脂肪が増えて血管が詰まりやすくなったり、糖尿病高血圧といった生活習慣病になったりするリスクも高まってくる。

 体脂肪とは全身の脂肪のことだ。人は毎日食事をし、その食べ物から糖分や脂肪を摂取する。摂取した脂肪や糖分は、その日の体温を保ったり、歩いたり仕事をしたりするエネルギーとして使われたりするが、使い切れず余った分は体脂肪として蓄えられ、増えすぎれば肥満になる。健康維持のためにも、自分の体脂肪率を把握しておくことが大切になる。体脂肪率とは、体脂肪が体重に占める割合のことを指し、体組成計で測ることができる。では、体脂肪率はどうやって測るのか。

 体重計などを製造・販売するタニタ(東京都板橋区)の開発部主席研究員、西澤美幸さん(51)は「筋肉組織は血液や水分が多く、電解質も多いので電流がよく流れます。一方、脂肪は脂の塊なので電流は通りにくい。その性質を利用して体脂肪の量を測ります」と説明する。乗って測る体組成計では、体に感じないくらい微弱な電流をつま先から流し、かかとで電圧を測る。

 電圧を電流で割ると体の電気抵抗がわかり、その電気抵抗値と、あらかじめ入力された身長の値を使って体脂肪の割合を算出する。タニタでは、1万4千件の様々な年齢の男女の統計データを蓄積していて、そのデータを基に、どのくらいの体脂肪がついているのかを推定しているという。

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 では一日のうち、体脂肪率は…

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