スポーツのミカタ

　知り合いが北海道新聞に載ったある投稿記事を教えてくれた。筆者は札幌市の福岡なかさん、97歳。「プールの青年　今や協会長」というタイトルだった。

　この青年は私。32年前の1988年、ソウル五輪に向けて北海道・野幌運動公園プールで事前合宿に参加していた私と、見学に来られた福岡さんとの、ちょっとしたエピソードがつづられていた。

　投稿によると当時、「48歳から泳ぎ始めて20年」のマスターズスイマーだった。それから30年近く経った18年6月、札幌での日本マスターズ水泳短水路大会で、福岡さんは4人の合計が360歳という年齢区分で女子200メートルメドレーリレーの世界新記録を樹立したのである。その時、日本マスターズ水泳協会の会長となっていた私が表彰をした――という話だ。

　実は、表彰のかなり前から福…