帰宅後すぐに洗濯、犬もふく がん経験医師のコロナ対策

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聞き手・服部尚
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 新型コロナウイルスの感染拡大が、がん患者の生活に影響を及ぼしています。通常の診療が受けにくくなる一方、重症化しやすいという報告もあります。23日に新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった俳優の岡江久美子さんも、乳がんでした。米国トップ級のがん専門病院「MDアンダーソンがんセンター」の治療医で、自らも2度のがんを経験した上野直人さんは、コロナの脅威に直面し、医師と患者の目線の違いを改めて実感しているそうです。上野さんは日々、どんな感染対策に取り組んでいるのでしょうか。

長引くかぜに覚えた不安

 ――ヒューストンの自宅で過ごされているそうですね。

 抗がん剤治療を行う腫瘍(しゅよう)内科医として多くのがん患者と接してきましたが、私自身も12年ほど前、太ももに珍しいがんである肉腫が見つかり切除しました。さらに約6年前には、MDS(骨髄異形成症候群)という血液がんと診断され、幹細胞同種移植を受けました。移植から2年半が経過しているのですが、コロナへの感染を避けるため、3月11日以降は外来診療に出ることをやめました。米国では電子カルテのシステムが発達しており、病院の外でも閲覧と使用ができるので、自宅で患者の相談に応じる方法に切り替えました。感染拡大がより深刻になったので、その後すぐ、勤務する病院の外来自体も縮小になりましたが。

 ――ずっと在宅生活が続く中、患者として気をつけていることはありますか。

 幹細胞移植を受けた後、幸い再発はしていませんが、免疫力が落ちているのか、かぜをひいても40日も50日も「ゴホゴホ」とせきが出て、治るのにすごく時間がかかるようになりました。コロナが問題になるにつれて、「もし感染したらこれは危ないぞ」と危機感が強まりました。

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