命預かる飼育員、難しい在宅 来園者ゼロでも動物の世話

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竹谷俊之
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 緊急事態宣言の対象が全国に広がり、ほとんどの動物園や水族館が休園、休館を余儀なくされている。家族連れやカップルでにぎわう行楽シーズンに収入を断たれ、異例の長期休業で苦境にあえぐ民間施設も数多い。静まりかえった園内や館内で、命を預かる飼育員たちの懸命の戦いが続く。

 動物園と遊園地の複合型レジャー施設「東武動物公園」(埼玉県宮代町)は4月12日、従業員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。

 いずれも施設の維持管理と庶務を担う50代の男性管理職で、1人は同月6日に入院。2人が勤務する事務所を消毒し、濃厚接触の疑いがある従業員6人を同月22日まで自宅待機とした。飼育員35人を含む従業員約130人のうち、ほかに新たな感染者はいないという。

 同園は3月28日から臨時休園している。通常は1人の飼育員が約4種類の動物を世話しているが、感染予防のために2チームに分けて出勤者を半減。担当者が休みの日に別の飼育員が担当外をカバーする「代番」のシフトで世話を続ける。

 広報担当者が苦しい胸の内を明かす。「経験のない長期休園で民間施設はどこも大変。動物も従業員も守らねばならないが、収入が途絶えて厳しい状況だ。早く日常に戻ってほしい」

■担当交代にストレス抱く動物も

 水族館でイルカやサメ、レッサーパンダ、コツメカワウソなど約700種、約12万点を飼育・展示する横浜・八景島シーパラダイス横浜市金沢区)も3月28日から休園中だ。アルバイトを含む約80人の飼育員を2チームに分けて出勤日をずらし、万一、感染者が出たチームは全員出勤せず、別のチームが飼育を担う。

 バンドウイルカを世話する鈴木涼太さんは「他チームの飼育員とうまくコミュニケーションを取り合いながら、生き物のわずかな変化を見落とさないように集中しています」と話す。

 2月29日から臨時休園となっている「よこはま動物園ズーラシア」(同市旭区)も2チーム制を敷く。

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