家族で買い物、野鳥撮影…マレーシアで1万8千人超逮捕

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シンガポール=西村宏治 バンコク=染田屋竜太
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 新型コロナウイルス対策のため3月中旬から厳しい移動制限が続くマレーシアで、政府の規制に違反したとして逮捕された人が1万8千人を超えた。政府が23日に発表した。同国は1千リンギ(約2万5千円)の罰金を支払うことを条件に、逮捕者を釈放する手続きを8日に導入したが、「交通違反のように軽く考える人がいる」(ヤコブ防衛相)として14日に撤回。例外なく裁判で罪を問うことにしたが、その後も逮捕者は後を絶たず、外出制限の難しさが浮き彫りになっている。

 マレーシアが移動を規制し始めたのは3月18日。社会に欠かせない仕事以外の外出を原則として禁止した。生活必需品の買い物などはできるが、出かけられるのは家族のうち1人だけ。運動のための外出も認めていない。当初は3月末までの予定だったが、2度の延長で4月28日まで続けることが決まっている。

 こうしたなか、家族でスーパーに行くといった違反が相次いだ。地元メディアによると、ジョギングや野鳥の撮影に出かけたという日本人も逮捕の対象になった。

 逮捕者を留置する場所が限られることや、違反者への対応が厳しすぎるとの批判が上がったことを受け、捜査当局はいったん、罰金を支払えば釈放することを決めた。その後はこの手続きを取る人が増え、逮捕された人の7割近くを占める日もあった。

 結局、違反が減らないことから、政府は14日に方針の撤回を発表。捜査当局は「どんな違反者も容赦しない」と警告したが、それでも1日1千人前後の逮捕者が出ており、22日時点で計1万8498人にのぼる。

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