廃棄近いビールをジンに コロナ余波、飲食店に呼びかけ
鮮度が売りのクラフトビールが、新型コロナウイルスの感染拡大のあおりを受けて、飲まれないままに捨てられようとしている。何とか救えないか――。賞味期限が迫ったビールを、蒸留してジンに生まれ変わらせる取り組みを始めた酒造会社がある。
今月中旬から全国の飲食店に向けて呼びかけを始めたのは、「常陸野ネストビール」で知られる木内酒造(茨城県那珂市)。計20リットル以上のたる入り生ビールを受け付けている。
蒸留や瓶詰めにかかる料金はとらず、依頼者の負担は送料のみだ。すでに首都圏のほか、愛知や沖縄などから約20件の申し込みが来ているという。
同社は東京都千代田区と茨城県石岡市の2カ所に蒸留設備を持つ。ビールを釜で蒸留してアルコール度数を高め、木の実の風味をつけてジンにする。100リットルのビールからできるジンは約8リットル。750ミリリットルの瓶に詰め、7月以降にラベルをつけて返送する。
きっかけは、営業担当者が取引先から「いまの状況が続けばビールを捨てるしかない。損害が大きい」と嘆くのを聞いたことだ。小規模な醸造所でつくられるこだわりのクラフトビールは鮮度重視。短いものだと1カ月ほどで味や色が傷み始めるという。
一方で、小規模な蒸留所が手がける個性的な「クラフトジン」も近年人気が出ている。「飲食店には、店を再開するときに客を呼び込む目玉にしてほしい」と広報担当の萩谷真千子さんは言う。
今回の取り組みは「SAVE…
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