「600人退職」タクシー会社 団交で「未払い賃金も」

藤えりか
[PR]

 新型コロナウイルスの影響による業績悪化を理由に、全乗務員約600人に退職合意を迫っていたタクシー会社ロイヤルリムジン(東京都江東区)が20日、運転手の一部が加盟する労働組合「日本労働評議会」の団体交渉に応じた。組合側によると、同社の金子健作社長は退職合意書に署名していない4人の労働者としての地位確認には応じたが、3月分の賃金の支払いを確約する書面への署名は拒んだという。

 団交は金子社長と、グループ会社「ロイヤルリムジン東京」(同中央区)に勤める運転手4人が相対とウェブ会議システムで臨み、約2時間半に及んだ。4人は、いずれも退職合意書には署名しておらず、①労働者としての地位確認②3月の未払い賃金の支払い③賃金債権の確認書面への署名・押印④財務諸表の提出――を求めた。

 労評によると、金子社長は①は認めた。②も「4人で寮費などを引いて95万5478円の未払い賃金」があることは認めたものの、「売上高が2月25%減、3月は50%減、4月は80%減」「会社は閉めたい」「融資も受けられずお金がない」と主張。「お金ができ次第」支払うなどの意思は示したものの、日付などは確約しなかったという。

 会社側は4人以外にも未払い賃金がある可能性も示している。次回の団交で議論する。団交に臨んだ運転手の男性(49)は「あまりにも誠意がなくてびっくりした」と話した。藤えりか

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら