イギリスでは今月、新型コロナウイルスに感染したジョンソン首相が入院し、一時的に集中治療室(ICU)に入るなど「トップ不在」の事態となりました。12日に退院しましたが、ロンドン郊外の別荘で療養を続け、ラーブ外相が職務を代行しています。イギリスのように国のトップが突然、仕事ができなくなったら、日本やほかの国の場合はどうなるのでしょうか。比較政治が専門の京都大学法学部・待鳥聡史教授に話を聞くと、各国とも意外とあいまいな点が多いことが見えてきました。
――ジョンソン首相は4月6日にICUに移る際、ラーブ外相に職務代行を託しましたね。
外相だからではなく、ラーブ氏が筆頭国務大臣だからというのが大きいでしょう。イギリスでは、副首相に準ずる役職です。ただし、副首相も筆頭国務大臣も、政権ごとにいたりいなかったりで、現在副首相はいません。イギリスでは、緊急時にどの役職の人を臨時の首相にするのか法律上の規定はなく、事前に決まってもいません。今回はジョンソン首相との関係の近さやキャリアなどから、指名されたと考えられます。
――事前に有事のことが決まっていないのですか?
イギリスは、日本と比べると…
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