食欲ない…でもうどんなら 最期の「食べたい」を支える

有料記事それぞれの最終楽章

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それぞれの最終楽章・食でつながる(6)

在宅栄養専門管理栄養士・安田和代さん

 今回は、地域のうどん屋さんと和菓子屋さんの協力を得て、食支援として関わったケースを紹介します。

 まず、全国チェーンの讃岐釜揚げうどん「丸亀製麺」と一緒に関わった悪性リンパ腫の女性Kさん(享年60)のケース。2017年8月9日、初めてKさん宅に訪問に行きました。「今、何食べたいですか?」と聞くと、「何も食べたくない」。既に末期で、食欲がない状況でした。でも、しばらくすると、ぼそっと言いました。「丸亀うどんなら食べたい。温かいうどんが好きなの」

 私は、Kさんのところの訪問看護師に、ご自宅での「うどんパーティー」を提案、快諾してもらいました。みんなで一緒にたべることで楽しい雰囲気になると思ったからです。すぐに、クリニック近くの丸亀製麺の店舗に行き、麺と汁を購入できないか尋ねました。しかし「テイクアウトはできません」とのことでした。諦めきれず、丸亀製麺の店舗を運営する会社の担当部署に電話をしました。すると対応した大下浩平さんは「ぜひ協力させてください」と快諾してくださり、スタッフをKさん宅に派遣してもらえることになったのです。

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 翌10日に日程を調整、15…

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