北の木質バイオ発電、出力増加中、間伐材確保に課題も

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本田大次郎
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 木を燃料に発電する「木質バイオマス発電所」が、北海道で広がっている。再生可能エネルギーの一つとして、国のエネルギー基本計画に位置づけられるなか、3年後には、現在の3倍の出力が見込まれている。これまで稼働してきた発電所は、主に道内の間伐材を使ってきたが、今後は輸入の木質燃料も使う大型発電所が主力となる。発電を巡る課題も、浮かび上がっている。

発電所内に数十メートルの間伐材の列

 苫小牧市の港湾地区に「苫小牧バイオマス発電」がある。発電施設に隣接する敷地に、直径30センチ以下の間伐材が長さをそろえ、5メートルほどの高さに積み上げられている。その連なりは数十メートルにも及び、幾重にも並んでいる。総量は約3万立方メートル。半年ほど野外で乾燥させてから、チッパーと呼ばれる大型機械で、長さ4、5センチほどのチップに粉砕。ボイラーで燃やし、その熱を使って発電する。

 発電能力は6・2メガワットで、一般家庭1万3千世帯分の電気を供給する。営業運転を始めたのは2017年。三井物産や地元の木材関連会社イワクラなどが出資し、立ち上げた。有効利用されていない道内の間伐材で地産地消の再生可能エネルギーを作り、林業の活性化にも貢献しよう、というのが狙いだ。

 当初は、木の水分量や燃焼温度の調整などに苦労したが、今では安定的な運転ができるようになった。

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 課題は、燃料の調達だ。間伐…

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