第5回住宅支援を失った原発避難者、洞窟暮らしの末に内部被曝

有料記事原発避難者たち

【動画】福島第一原発事故から9年。原発避難者たちは今=青木美希撮影
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原発避難者たち⑤

 政府と福島県の住宅提供打ち切りで避難先住宅を退去せざるを得なくなり、福島県南相馬市帰還困難区域の洞窟で暮らしていた男性(77)が2017年8月末、警察に保護された。衰弱と脱水で市立総合病院に救急搬送された。2カ月間、山菜などを食べてきた。

 同院で内部被曝(ひばく)検査を行ったところ、年0・2ミリシーベルトと推定された。市は、希望者全員に無料で内部被曝検査を同院で行ってきているが、13年以降では3番目に高い数字で、17年では相馬地区で最も高い値だった。

 当時、同院に勤めていた医師の澤野豊明(とよあき)さん(30)は、男性はやせてがりがりだったといい、「内部被曝は帰還困難区域でのキノコ、山菜、川魚を食べてきたことによるものと考えます。貧しい人々に対する社会的支援の低下が、内部汚染の一因となる可能性があるということです」と話した。

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