緊急事態宣言、日本は緩い?あの成功体験と反省が背景に

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 新型コロナウイルス対策で安倍晋三首相が7日に出した緊急事態宣言が、他国に比べて「緩い」「遅い」といった批判を招いています。なぜ、日本ではより厳しい措置がとられなかったのでしょうか。

 宣言に基づき、対象となった東京など7都府県の知事は、外出自粛の要請や施設の使用停止といった措置をとれるようになりました。ただ、医薬品やマスクの保管を命じられたのに従わなかった場合など、ごく一部のケースを除き、要請に従わなくても罰則はありません。

 海外ではどうでしょうか。フランスでは政府が認めた目的以外の外出をした場合に罰金135ユーロ(約1万6千円)が科され、「原則100%の在宅勤務」が義務づけられた米ニューヨーク州では、企業が違反すると最大1万ドル(約108万円)の罰金となります。

 このように、より厳しいルールが定められている国や地域もあるため、日本の対応は海外メディアから、「過少であり、遅すぎたとの批判も出ている」(ロイター通信)などと報じられています。

国民の自由、制限に抑制的

 「外出を禁じる罰則もなく、あくまで自粛の『お願い』。海外から『弱い』と言われても仕方ない」。危機管理が専門で、内閣官房の新型インフルエンザ等対策有識者会議のメンバーを務める福田充・日本大学危機管理学部教授は、そう話します。

 福田さんによると、たとえば米国では「オールハザードアプローチ」という考えかたがあり、戦争や大規模災害など各種の社会的危機が生じた場合には、大統領が国家の非常事態を宣言し、財政出動を伴う措置をとることができます。州レベルでも、かなり強い対応をとれます。

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 一方、日本は「戦前の反省も…

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