在宅勤務できない工場 感染予防の「カイゼン」続々

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西尾邦明 森田岳穂
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 在宅勤務ができない工場で新型コロナウイルスの感染を防ぐため、メーカー各社が対応に乗り出した。生産ラインのほか、社内で3密(密集・密閉・密接)になりやすい場所を洗い出し、予防策を練る。海外では工場の閉鎖を命じる国もあるが、地道な取り組みで危機を乗り切る。

 空調大手のダイキン工業は、主力工場の滋賀製作所で制服や作業服での通勤を認めた。約1300人が働いており、出勤や帰宅時に更衣室が人であふれるのを防ぐねらいだ。

 工場はまもなく、夏に向けて家庭用エアコンの生産がピークを迎える。熱中症対策に欠かせない製品でもあり、簡単に稼働を止めることはできない。まだ肌寒いが搬出口を定期的に開いて換気を徹底。手作業が残る組み立ての工程も、可能な限り従業員どうしの間隔を取るようにした。用具を除菌するために食器乾燥機も入れたという。担当者は「現場ごとの最善策をほかの工場でも展開し、感染防止に努めている」と話す。

 特に3密が起こりやすいのがランチタイムだ。全国に工場を持つパナソニックは、「時差ランチ」を採り入れ、社員食堂の混雑を緩和させている。利用時も向かい合って座らないよう呼びかけているという。

 電子部品大手の村田製作所は、感染者が出たときの対策を強化。従業員がどのラインやオフィスで働いたのかを記録させるようにした。社員食堂にはテーブルにQRコードを貼り、従業員がスマートフォンで撮影すると、あとで座った場所や日時が確認できる。

 福井県の工場では4日に感染者が出た。行動の記録をきちんと取っていたので、接触者の確認が素早くできたという。広報担当者は「消毒する場所の特定にもつながり、工場の早期再開にも役立つ」と話す。

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 とはいえ限界もある。ある大…

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