院内感染、救急や外来に痛手も 東京都医師会も懸念

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荻原千明
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 新型コロナウイルスの感染確認者が2千人を超えた東京都内で、院内感染が疑われる事例が新たに判明した。13日に取材に答えた東京都医師会の猪口正孝副会長は「院内感染で多くの医療スタッフが離脱すれば、必要な医療を十分に提供できなくなるおそれがある」と懸念を示した。

 都内の感染確認者は、連日のように1日100人を超えている。さらに12日までに、中野江古田病院(中野区)で入院患者や医師、看護師ら計92人の感染が判明した。

 都内ではこれまで、慶応大学病院新宿区)や国立がん研究センター中央病院(中央区)、東京慈恵会医科大学付属病院(港区)でも医療従事者らの感染が確認されている。

 なかでも台東区の中核病院である永寿総合病院で184人の感染が確認された。病院によるとこのうち69人は、医師や看護師らだという。

 医療機関において感染者が判明した場合、一緒に働いていた多くのスタッフが「濃厚接触者」として離脱せざるをえない。永寿総合病院は3月25日から外来を中止。同病院は感染が疑われる患者を保健所からの紹介で診察する「帰国者・接触者外来」を開設していたが、それも停止した。

 都内の医療関係者によると、台東区内の医療機関で受け付けるPCR検査の件数が落ち込み、隣接する墨田区の医療機関に回るなど、影響は周辺の自治体に広がっているという。

 都内の別の区の区長も、「院内感染が広がり、地域の拠点となる病院が救急や外来を受け入れられなくなったら痛手だ」と訴える。感染した患者の入院に対応するため、区内の病院で一般病床を空けたり、医療スタッフの人手がとられたりし、すでに地域医療にしわ寄せがきていると明かす。

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■足りぬ防護物資や病床…

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