30万円給付、どうすれば? 見えない詳細、高まる不安

有料記事緊急事態宣言

内藤尚志 藤崎麻里 堀内京子 岩沢志気 藤田知也
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生活が困難になった世帯を支援する30万円の現金給付策。政府は10日、これまでの「住民税非課税水準」に代わり、減収後の「月収」を基準にすることを公表した。だが、具体的な申請方法や支給時期など制度の詳細はまだみえず、収入が減った人たちの不安は高まるばかりだ。

 茨城県に住む50代の女性は3月末で「派遣切り」にあって職を失った。夫婦共働きだが、総務省のサイトを確認して困惑した。記述が少ないうえに共働き世帯の例がほとんど書かれていなかった。「いくら読んでも、自分が対象になるのかわからなかった」

 支給に時間がかかることへの不安は募り、いまは失業給付が収入に該当するのか気になる。夫は介護職で、賃金は高くない。手取りで月20万円ほどあった自分の稼ぎがなくなり、家計の収入は半減する見通しだ。次の仕事のあてはなく、今月中に30万円をもらえなければ、緊急時のための預金を取り崩して生活していくしかない。「これだけ待たされたのに、まだわからないことばかり。全世帯に一律に給付すれば、こんなことにはならなかったのに」と嘆く。

 歩合制で働く東京都内のタクシー運転手の50代男性も給付されるか不安そうだ。手取りは多いときに40万円ほど。それが政府の緊急事態宣言後は18時間乗車して乗客は6人。売り上げはたったの1万円に。4月の手取りは基準となる15万円を切りそうだが見通せず、生活のためには乗車を続けるしかない。

 パート社員の妻もシフトが減った。だが今回の給付金の支給基準は、世帯主の収入が減ったかどうかだけ。「15万円を多少上回っても、2人で首都圏では暮らせない」

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 学習塾を主宰する東京の30…

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