「延期ぐらいで動じない」逆境は力、再出発のパラ選手 

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榊原一生
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 新型コロナウイルスの感染拡大で来年8月に延期された東京パラリンピック。11日で開幕まで500日となったが、練習場所の確保すらままならないのが現状だ。それでも五輪選手同様、苦しみながらも再出発を誓うパラアスリートたち。その姿勢には、障害を抱えながら困難に立ち向かうパラ特有の事情もある。

 五輪やパラ選手の強化拠点である味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC、東京都北区)が閉鎖され、NTCイーストを拠点とするパラ水泳(全盲クラス)の富田宇宙(31)=日体大大学院/EYジャパン=もプールでの練習ができなくなった。東京都が外出自粛を求めた3月末には、トレーナーによる体のケアが受けられず、柔軟性を高めるヨガのレッスンも諦めた。

 NTC近くに借りた自宅にこもる日々だ。だが言葉は力強い。「成長のためにできることはいくらでもある。いかなる状況でもベストを選択するという信条は変わらない」と言い、「今の事態には心を痛めているけど、自分は目が見えなくなっていく苦しみを味わいながら生きてきた。延期では動じないですよ」。

 厳しい境遇をそう語れるのは、富田の心の強さの表れだろうか。

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 パラアスリートの強さの源泉…

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